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アオジ羽根付き骨格標本

2015. 11. 8 公開

 

 アオジの全身骨格標本、嘴・両翼・後肢の皮と爪・尾羽根つき。羽根付きハシブトガラスを作った時の反省を生かして、四肢を予め切断して濡らさないようにしたので、羽根がクシャクシャにならずに済んだ。関節を切ると可動域がよくわからなくなりそうだなと思い、上腕骨と大腿骨を切断して乾燥後に接合したが、ハサミで適当に切ったのが良くなかったようで接合痕が目立ってしまった。デザインナイフなどで慎重に切るべきだろう。切った骨の接合には、針金を差し込んで繋いでから接着するとまっすぐ繋がるし強度も増す。小鳥の全身は初めてやったが、肉取り・タフデント・再除去が1ループで終わるので楽で良い反面、骨が簡単に折れたり切れたりしてしまうので慎重さが要求されるなと思った。あと翼は肉取りなしでも乾燥させてしまえば問題ないっぽいのも楽。

 元となった死体は2015年10月末に愛知あたりの岸壁から船内に迷い込んで衰弱死したもの。拾った知人の依頼で標本化した。第一印象がよろしくなかったりでコソコソやってる趣味だが、理解のある人に喜んでもらえるとやっぱり嬉しい。状態が良かったので剥製も考えたが、より繊細な作業が要求されて大変そうだなーというのと、剥製は生体の姿に近いほど良いみたいなところがあるような気がするんだけど、死体をそういう方向に持って行くのはなんか違う気がするという個人的な好みがあってこうなった。食わず嫌いは良くないので一回ぐらい剥製も試してみようかなとは思っているのですが…

 翼の根本付近の羽毛がちょい荒れ。皮を剥ぐ前にデザインナイフで切れ目を入れておくか、いっそ剥く前に切り離してしまった方が良さそう。肉取りは甘めだがそれなりに上手いこと骨に出来たように思う。脳は椎孔から針金を差し込みグリグリやってからスポイトで押し出すと綺麗に除去できた。

 黒をベースにした羽根に白と黄緑のラインが鮮やかで美しい翼。これを残せただけでも標本作った甲斐があったなあと思う。

プリアプリダの午後

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